2020年代のおすすめ漫画14選14 recommended manga from the 2020年代

2020年代に連載が始まった漫画は、まだ物語の途中にあるものが多数派です。この棚の14作品のうち連載中が9作、完結済みが5作で、完結が多数派だった1990年代・2000年代・2010年代の棚とは比率が逆転しています。だから選ぶときの問いは「面白いかどうか」よりも「いま何巻まで出ていて、どのくらいのペースで続きが出るのか」になります。この棚では、その追いかけ方から順に整理します。

2020年代の漫画の選び方

情報確認日: 2026/10/05

前の年代の棚が「読み逃した名作を掘る」「映像で知った作品の続きを買う」ための棚だとすれば、2020年代の棚は「まだ終わっていないものを、どこから追い始めるか」の棚です。刊行中の作品を買うことには、完結作にはない判断がいくつか要ります。ここではその順番で並べていきます。

まず、いま完結していて最後まで読み切れるのは5作です。『怪獣8号』(2020年開始・全16巻)は怪獣の死体清掃で働く32歳が防衛隊を目指す王道アクションで、2025年7月に連載を終えました。『【推しの子】』(2020年開始・全16巻)は芸能界の描写と母の死をめぐる復讐劇が並走するミステリーで、こちらも伏線の回収まで確認できます。『邪神の弁当屋さん』(2024年開始・全4巻)は罰で謹慎中の神が弁当屋を営む静かな作品、『怪獣を解剖する』(2024年開始・全2巻)は全長210メートルの死骸をどう処理するかという実務から災害の事後を描きます。『アオのハコ』(2021年開始)だけは事情が違って、本誌連載は2026年7月に完結していますが、単行本は既刊27巻(27巻は2026年10月2日発売)で、最終28巻が2026年12月4日に発売予定です。結末までの道筋は確定しているものの、全巻を手元で読み終えられるのは2026年12月以降になります。

「短く試したい」なら、この年代には巻数の少ない作品が揃っています。短い順に『怪獣を解剖する』全2巻、『本なら売るほど』既刊3巻、『邪神の弁当屋さん』全4巻、『天幕のジャードゥーガル』既刊6巻。前の二つは上下巻・数巻で区切りがつき、後の二つは連載中ですが、いま追いつくのに時間がかかりません。長期連載が積み上がる前の年代なので、この「まだ薄い」ことが今から入る利点になります。

連載中の9作は、刊行ペースがかなり違います。速いほうは『SAKAMOTO DAYS』(既刊28巻)と『ダンダダン』(既刊25巻)で、どちらも2021年前後の開始からこの巻数まで来ています。『薫る花は凛と咲く』は既刊24巻、『メダリスト』は既刊15巻、『出禁のモグラ』は既刊13巻、『ダイヤモンドの功罪』は既刊10巻。ゆっくりなのが『天幕のジャードゥーガル』で、おおむね半年から1年に1巻(1巻2022年8月・6巻2026年7月)です。『ダイヤモンドの功罪』も休載を挟むため不定期で、『葬送のフリーレン』は既刊15巻の時点で2025年10月から休載しており、再開時期は発表されていません。追いかける前提で買うなら、この差は先に知っておくほうが後悔がありません。

完結していない作品を今から読み始めることには、向き不向きがあります。区切りの付き方で選ぶなら、1話完結に近い構成のものが安全です。『本なら売るほど』(2023年開始・既刊3巻)は古本屋に持ち込まれる一冊ごとに話が閉じ、『葬送のフリーレン』(2020年開始・既刊15巻)も挿話の積み重ねで進むため、休載中でも既刊分だけで満足できます。逆に『ダイヤモンドの功罪』(2023年開始・既刊10巻)や『メダリスト』(2020年開始・既刊15巻)は、才能や競技の結果が長い時間をかけて効いてくる構成なので、続きを待つ覚悟がいる読み方になります。

アニメから入る場合の目安も置いておきます。この年代は映像化が今も続いている作品が多く、原作の進み具合を確認してから買うと重複を避けられます。『アオのハコ』は第2期が2026年10月4日からTBS系で放送中、『SAKAMOTO DAYS』は第2期が2027年1月放送予定、『ダンダダン』は第3期が2027年放送決定、『メダリスト』は第2期が2026年1月に放送済みで劇場版が2027年公開予定、『天幕のジャードゥーガル』は2026年7月4日からテレビ朝日系で放送されました。『【推しの子】』は第3期が2026年3月に放送を終え、第4期「Final Season」の制作が発表されていますが時期は未発表です。『怪獣8号』はアニメ「完結編」の制作が発表されているものの、形態も時期も未発表です。

賞のとり方にもこの年代の性格が出ています。『本なら売るほど』はマンガ大賞2026大賞・このマンガがすごい!2026オトコ編1位・第30回手塚治虫文化賞マンガ大賞を同じ年に獲りました。『ダイヤモンドの功罪』はこのマンガがすごい!2024オトコ編1位、『天幕のジャードゥーガル』はこのマンガがすごい!2023オンナ編1位と第55回日本漫画家協会賞コミック部門大賞、『怪獣を解剖する』は第30回手塚治虫文化賞新生賞。いずれも巻数が10巻以下で、話題になってから追いつける位置にあります。評価の定まった長編を掘るのではなく、評価が定まりつつある作品に途中から乗るというのが、この年代の棚の使い方です。

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