SFのおすすめ漫画10選10 recommended SF manga
SF漫画の棚は「宇宙が舞台の話」の棚ではありません。現実の世界に嘘をひとつだけ足して、その嘘が人間をどう変えるかを見る話が集まっています。この棚の10作品は、足した嘘の種類も、そこから何を見せたいかも違います。自分がどの嘘に興味があるかで選ぶのが早いです。10作すべてが完結しているので、結末まで確実に読めます。
- AKIRA
AKIRA
全6巻・完結6 vol. · Complete
崩壊後の新東京を舞台に、暴走族の少年が超能力に目覚めたことで巨大な陰謀に巻き込まれていくSFアクションです。都市そのものが呼吸するように描かれます。
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宇宙兄弟
全46巻・完結46 vol. · Complete
幼い頃に弟と交わした「宇宙へ行く」という約束を、無職になった兄・六太が三十代から追いかけ直す物語です。宇宙飛行士選抜と訓練のリアルが丁寧に描かれます。
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大奥
全19巻・完結19 vol. · Complete
男子だけが罹る疫病で男女の人口比が逆転した江戸を舞台に、女将軍と男の大奥という歴史を描き直すSF時代劇です。制度と個人の愛憎が絡み合います。
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怪獣8号
全16巻・完結16 vol. · Complete
怪獣の死体清掃で働く32歳の日比野カフカが、自らが怪獣に変身する力を得たまま防衛隊を目指すアクションです。年齢を重ねた主人公の再挑戦が物語の芯にあります。
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怪獣を解剖する
全2巻・完結2 vol. · Complete
全長210メートルの超巨大怪獣「トウキョウ」の死骸を解剖する現場に、怪獣学者の本多昭が招かれます。戦うのではなく、死んだ怪獣を科学で読み解いていく物語です。
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サマータイムレンダ
全13巻・完結13 vol. · Complete
幼なじみの葬儀のため和歌山の離島へ帰省した慎平は、彼女の死に不審な点があると知ります。死ぬと時間が巻き戻る体質を武器に、人に成り代わる「影」の正体と事件の真相を追う、ひと夏のループサスペンスです。
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東京卍リベンジャーズ
全31巻・完結31 vol. · Complete
冴えないフリーターが中学時代にタイムリープし、恋人の死という未来を変えるため不良たちの抗争へ身を投じるサスペンスです。過去と現在を往復して運命に抗います。
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20世紀少年
全22巻・完結22 vol. · Complete
少年時代の空想の「予言書」が現実の事件と重なっていく謎を、大人になったケンヂたちが追うサスペンスです。過去と現在を往復しながら世界の危機の正体に迫ります。
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PLUTO
全8巻・完結8 vol. · Complete
世界最高水準の7体のロボットが何者かに破壊されていき、ロボット刑事ゲジヒトが捜査に当たります。手塚治虫『鉄腕アトム』の一編「地上最大のロボット」を、戦争の傷を抱えた者たちの群像として描き直した作品です。
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僕だけがいない街
全9巻・完結9 vol. · Complete
売れない漫画家の悟には、直前の時間へ巻き戻る「再上映」が起きます。母の死をきっかけに飛ばされた先は18年前。小学生の体で、同級生が犠牲になった連続誘拐事件に立ち向かうタイムリープサスペンスです。
SF漫画の選び方
情報確認日: 2026/08/01
SF漫画を探すとき、「科学的にどれだけ本格的か」で選ぼうとすると迷います。実際に読み味を決めているのは、作品が現実に対して何をひとつ変えたか、そしてその変化を人間側からどう見せるかです。この棚は宇宙もの・怪獣もの・歴史改変・タイムリープ・ロボットものが混在していますが、その混在自体が「SFは舞台装置の名前ではない」ことを表しています。
同じ怪獣という題材でも、方向が正反対の2作品が並んでいます。『怪獣8号』は怪獣と戦う話で、防衛隊という組織に入って強くなっていく熱量が魅力です。一方の『怪獣を解剖する』は、物語が始まった時点で怪獣がすでに死んでいます。全長210メートルの死骸をどう処理するかという実務と、災害の事後に起きること(復興、風評被害、調査現場で働く研究者の扱い)を描きます。全2巻と短く、2026年の『このマンガを読め!』で1位に選ばれました。怪獣ものを読んだことがない人にはこの対比が分かりやすい入口になります。
世界そのものが壊れていく話を読みたいなら『AKIRA』と『20世紀少年』です。『AKIRA』は1982年連載開始の全6巻で、崩壊後の東京を圧倒的な描き込みで見せます。絵の情報量そのものが体験になる作品で、海外での評価が特に高いのもここが理由です。『20世紀少年』は、子どもの頃に書いた空想の筋書きどおりに世界が滅びていくという設定から、記憶違いと集団心理を扱います。全22巻とこの棚では長めですが、謎が引っ張る力は強いです。
歴史のほうに嘘を足したのが『大奥』です。男子だけが死ぬ疫病が流行った江戸を舞台に、将軍も家臣も女性になった世界を描きます。設定は大胆ですが、そこから出てくるのは権力と生殖をめぐるきわめて現実的な話で、全19巻を通して制度が人を縛る仕組みが積み上がっていきます。SFとして読んでも歴史ものとして読んでも成立する作品です。
変えた嘘が小さいほど現実に近づきます。『宇宙兄弟』は宇宙飛行士を目指す兄弟の話で、この棚でいちばん現実に地続きです。派手な事件ではなく、選考や訓練といった手続きを丁寧に描くタイプなので、SFというより「宇宙という職場のお仕事漫画」として読むほうが近いかもしれません。『東京卍リベンジャーズ』はタイムリープを使いますが、跳んだ先で描かれるのは不良同士の関係の話です。
時間を巻き戻す嘘を足した作品は、この棚にもう2つあります。『僕だけがいない街』(全9巻)は直前の時間へ巻き戻る体質を持つ主人公が18年前へ飛ばされ、同級生が犠牲になった連続誘拐事件に向き合う話です。やり直す対象は事件のトリックではなく、あのとき声をかけられなかった同級生との時間のほうで、雪の北海道の描写がその感触を支えています。『サマータイムレンダ』(全13巻)は和歌山の離島を舞台にしたループもので、巻き戻る起点は動かせず、回数にも限りがあり、敵もループの存在に気づいて対策してきます。中盤以降は能力バトルというより、限られた手札での詰将棋に近い読み味です。この2作と『東京卍リベンジャーズ』に共通するのは、やり直しが万能ではないことです。制約をどう設計したかが、そのまま緊張の源になっています。
ロボットの側に人格を足したのが『PLUTO』(全8巻)です。手塚治虫『鉄腕アトム』の一編を下敷きに、破壊されていく最高水準の7体を「同じ戦争の帰還兵」として描き直しました。家族を持ち、音楽を愛し、戦場の記憶に苦しむ個人として一体ずつ描かれるので、ロボット同士の戦いの爽快感を期待して開くと肩透かしを食います。犯人は誰かというミステリーの牽引力と、章ごとの挿話の完成度が両立していて、特に2巻の老作曲家と戦争帰りのロボットの章は、単独の短編としても屈指の出来です。
短いものから試すなら『怪獣を解剖する』(全2巻)か『AKIRA』(全6巻)です。どちらも完結済みで、この棚がどういう幅を持っているかを両端から確かめられます。次に短いのは『PLUTO』(全8巻)と『僕だけがいない街』(全9巻)で、どちらも週末で読み切れる分量です。長いものに時間を使う前に、まず短い数作で自分がSFに何を求めているのかを見極めるのがおすすめです。